ご依頼の内容
亡くなったらあげる約束はできますか?
【詳細】
亡くなったらあげる約束はできます。
例えば、ご本人様が亡くなった時に、
「甥っ子に今住んでいる不動産をあげる約束をしました。」
このことを死因贈与といい、
財産を渡す人(贈与者)と財産を貰う人(受贈者)とが生前において行う贈与契約であり、
その効力は、原則として贈与者の死亡の時に発生します。
死亡原因の贈与には2種類あります。
「遺贈」と「死因贈与」です。
大きな違いは財産を貰う人(受贈者)の承諾が、あるか、ないか、です。
「遺贈」とは、
遺言書の中で「自分が死んだら甥っ子に土地をあげる」
という財産を渡す側の一方的な意思表示で行います。
※遺贈に関しては、15歳に達した者は単独でおこなうことが出来ます(民法第961条)。
「死因贈与」とは、
財産を渡す側ともらう側の双方の合意(死因贈与契約)が必要であるという点において異なります。
※死因贈与は契約であり、法律行為であるので、
未成年者の場合は親権者などの法定代理人の同意を得るか、
もしくは法定代理人が代理をしておこなう必要があります。(民法第5条)
ただし、単に贈与を受ける行為であれば未成年者でも単独で可能です。
このケースは、「死因贈与」と考えられます。
死因贈与契約は口頭でも良いとされていますが、
立証が難しく、相続人の同意・協力も必要となるため、
本来なら相続できたはずの不動産をほかの人に贈与されてしまい、気分を害した結果、
相続人が登記に協力しないというトラブルも十分に考える事ができます。
そのため、契約書面でしっかりと残しておく方が良いでしょう。
また、死因贈与契約を締結するときに、執行者を選任することをおススメいたします。
(執行者とは、贈与者が亡くなった後に、贈与者に代わって死因贈与契約の内容を実現するために動く人のことです。)
原則、受贈者と贈与者の相続人が全員共同して登記申請をおこないます。
死因贈与契約で執行者が選任されていない場合、もし相続人が登記手続きに協力しない場合は、
執行者の選任を裁判所に申し立てるか、相続人に対して訴訟を起こす事になります。
その為、死因贈与契約書を作成し、かつ、
その中で執行者(受贈者が兼ねることができます)を指定しておけば、
受贈者兼執行者として単独で死因贈与による所有権移転登記手続を行うことができます。
(執行者を受贈者とは別の人に指定していた場合には、受贈者と執行者との共同申請となります。)
担当司法書士からの一言
遺贈も死因贈与も撤回が可能です。
贈与者の撤回や、贈与者死亡後の相続人による撤回もできます。
どのようなケースが考えられるのか、どのようにしたら後日証明できる書面にできるのか
遺贈や死因贈与をお考えの方は、お話をお聞かせください。